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医療職へ社会復帰(Story④)

Hi! How's it going?

井草 木の子(いぐさきのこ)です。

前回は、強制終了後の人生で、絶不調の中もがきながら、治療の行き詰まりや、
西洋医学・東洋医学以外の治療に手を出す事に躊躇する価値観を持っていたお話しでした。

前回の記事はこちら

その後、様々な経過を経て、全日の寝たきりの体調から少しずつ少しずつ良くなり、半日くらい動けるようになっていきました。

実に、4年経過していました。

リハビリとして働き始めたのは、行列の出来るクリニックでした。

クリニックというのは、午前診察、午後診察、と半日刻みの勤務時間ということで、半日だけかろうじて動けるようになった私にはぴったりでした。

ドクターショッピングのおかげで、やたらと病院ツウになっていましたし。

体調面では、初めのうちは、まだまだ半日もギリギリであったため帰ってすぐ寝込む勢い。
それを徐々に鳴らしていく日々でした。

いやいや、本当はゆったりしたクリニックの受付でボケーっとしていれば良いのを期待していったのですが、全くの見込み違いでした。(汗)

忙しいのが性にあっているのか、”忙しい”を引き寄せてしまうのか…

とはいえ、やりがいもあってすごく充実していました。

仕事面で言うと、病人生活が長かったので(まだ半分病人)やたら医療のことに詳しく、おまけに興味があるからどんどん調べて身に着けていくし、先を見越して先に行動したり、患者さんの症状を聞き出すのがうまい、アフターフォローも含めて患者さんに寄り添えるとのことで、ドクターからも信頼していただき、あんなことからこんなことまで任せていただくようになり、右腕として勤務させていただくこととなりました。

症状を書き出す、分析するなどは自身の闘病中も必死で毎日やっていたことなので、その時に培った能力だと思います。

どんな症状一つとっても、その辛さが人一倍分かるだけに、患者さんの立場に立って寄り添ったお話しが出来たのだと思います。

なにせ行列ができるクリニックであったため、一人当たりの診察時間をたくさん取りにくく、患者さんが質問することも

「木の子さーん(この質問に答える事を指して)お願いします!」と呼ばれるわけです。

そして、対処法なども「●●こういう理由で、その為に●●こうこうして生活してください」と論理だって話すので、とても分かりやすいと好評を得ていましたし、普段からドクターが話していることは、ほとんど頭に入っていますので、だいたいの質問に答えられるようになっていました。

ドクターは私が患者さんに伝えていることもきちんと聞いていますから、安心して頼まれるようになっていました。

これは天職かもしれない・・・

勤務していたクリニックのドクターは、特に急性期で早急処置が必要な病変を見つけ出す事に長けていて、早急な対処で数々の患者さんを救っておられました。まさかの深刻な病変の発見も結構な確率でありました。

私はこのドクターの元働くことで

スキルアップの為看護師になることも真剣に検討していました。

それと同時に、その頃には様々な視点で病を見る事を(クリニック以外で)学んでいたため、来られる患者さんと日々お話ししていく中で、その患者さんが

どういうマインドを持ち、どういう生活をされている方なのか

というのを肌で学べる機会となりました。

学んだ事が実体験となってどんどん腑に落ちる事へとつながっていきました。

もちろんここで患者さんに、”あなたが待つ〇〇なマインドが悪さをしていますよ!”なんて事は言いませんよ。

それは”たまたま”で片づけられることかもしれませんが、

科学的なエビデンスより、実証の方がすごい!

ということが、身に染みて分かる事となっていきました。

更には”保険証”を拝見することで、その方の職業までもが分かってしまう
これにも様々な気付きがありました。

そんな日々を過ごしている間に3年ほどが経ち・・・

気付けば終日働ける体調になって、もう一度生命が吹き込まれ、生まれ変わった自分になっていました。

トータルして7年かかったわけです。

本当に長い道のりでした。

それからというもの、色んな事を学べる体調・お金も、余裕はないけれど多少はついてくるようになり、楽しくて仕方がありませんでした。

西洋医学的視点以外の病の成り立ちや、自然の摂理、様々なものを学んでいきました。

その頃から、アメリカへ年に数回行く機会があったのですが、欧米の代替医療を受けたり調べたりしていると、なんと日本は遅れたことなのか!と愕然しました。

代替医療(だいたいいりょう、: alternative medicine)は、「現段階では通常医療と見なされていない、さまざまな医学・健康管理システム、施術、生成物質など」を意味する。自己判断・自己責任で行うもので費用は全額自己負担であり、米国の国立補完代替医療センターでも民間療法と同義としている[1]

アメリカは医療制度が進んでおらず、病院に行くにも高いわけです。

ちなみに日本はこちら

日本では保険証さえあれば、
「いつでも」「誰でも」必要な医療サービスを受けることができます。
私たちにとっては当たり前のことですが、海外と比べるととても恵まれています。
日本で保険証1枚で平等に医療を受けることができるのは、
「国民皆保険(かいほけん)」があるからです。
安心して暮らしていくためにもこの制度を維持していきましょう。

アメリカの場合、西洋医学の病院に行くか、代替医療を受けるか、は金額的には差がない、もしくは代替医療の方が安いという事になるわけです。

そして、西洋医学が症状だけに対する対症療法なのに対して、代替医療は生活全般を見直すきっかけを与えてくれたりするわけです。

一昔前のアメリカ人はジャンクフードなどの食べ過ぎによる肥満の方が圧倒的に多かったですよね。

その人が病気になって薬を飲むより、やせることが一番の治療なわけです。

やせるための西洋医学的アプローチって?脂肪吸引でしょうか。胃縮小手術なんてものもありますね。

代替医療的アプローチは、ヨガをする、太極拳をする、ランニングする、ヘルシーな食事に切り替える、アーユルベーダを学ぶ、鍼灸を受ける、などなど。

それらがハリウッド俳優などが取り入れ、生活スタイル化され、ファッショナブルに最先端な人、お洒落な人、という印象も伴って、社会的な基準になっていっていったのです。

ただのお洒落の追求ではありません。

ヘルシー食の走りだったベジタリアンなどは特にその代表的な一例だと思います。

ベジタリアンとは、肉や魚などの動物性食品を摂らず、穀物や豆類、野菜などの植物性食品を摂る人のこと。宗教的教義や生命の尊厳に基づいたライフスタイル運動として19世紀半ばに英国のマンチェスターで始まったといわれている。

※ベジタリアンに次いで、ビーガン(卵を含む一切の動物性食品を摂取しない)も出てきていますね。木の子的には、合う人合わない人があるから、一概にお勧めも否定もしていません。

などという背景を目の当たりにし、まだ日本には入ってきていない代替医療につながるような健康療法や運動的なものがたくさんあり、そういうのを知るだけでも楽しいし、色々体験してみたい!と感じました。

渡米の度に色んな体験をして、海外は楽しい場所という位置づけが、学べる場所へと変化していったのです。

ちなみに代替医療は近年、補完医療などとも呼ばれます。

アメリカの国立補完代替医療センター(現・アメリカ国立補完統合衛生センター)では、2010年頃から研究目的は「病気の予防・治療」から「症状[注 1] のマネジメント」に変更され、各種施術療法の総称として、補完・代替医療ではなく補完的健康アプローチ(complementary health approaches)という用語を使うようになってきている。

その後、交通事故の裁判(医療裁判寄りの)も何年もかけて経験し、ただただ辛い体験で、現実は辛い事も多かったですが
医療の道を進むとしても、西洋医学ではないという思いが日に日に強くなっていきました。

そして、ついに決断。

それまでも長年語学学習はしていましたが、到底流暢に喋れるレベルにはならず、いずれ海外で学ぶ事も視野に入れて、全日制の語学留学コースへ進むため、クリニックを退職することにしたのです。

クリニックの同僚たちからも「木の子さんがいたから頑張れていた…」と随分惜しんでいただけ、それはそれはありがたい経験でした。

(その後、そう言ってくれていたスタッフ達は、結構退職していったのでした)

そんな様々な学びと研究の日々を経て、寝たきりからの復活体験から、

病の成り立ちの構図が私の内側で出来上がっていっていたようです。

この続きは、また次回。

次回は、語学学校という、またまた全然違うフィールドに行くのでした(笑)

お読みいただき、ありがとうございました。

本日は、このへんで。

See you!

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